フリッツ・ハーク [4] ヴンダバーなワインセラー 2

フリッツ・ハークさんが

「しっかり売って欲しい」

と言ったのは、ただ一定の温度を保つだけではダメだ…
ということなんです。


つまりは、赤道の下を2度くぐって船に揺られて来るワイン達は、旅疲れしてしまっていると感じているそうです。
それを休まさなければ、自分が考えている味と香、バランスは達成されない…とのこと。

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ゴキゲンで自分のワインを飲むウンダバーおやじ


     ブラウネベルガー ユッファー ゾンネンウーア リースリング アウスレーゼ 1/2 フリッツ・ハ...
ブラウネベルガー ユッファー ゾンネンウーア リースリング アウスレーゼ 1/2 No.12
フリッツ・ハーク家[1999]

2,700円 (税込)


実は私自身も、近年、強く感じている事なんですが、到着したてのワインは、味が違うのです。


まるで糸がもつれるような状態と言うべきでしょうか、


豊満なワインの味の流れの一部が痩せていたり、
滑らかなワインが舌に引っかかったり、
酸味が妙に浮き上がっていたり…


どの症状が出るかは個々のワインで違うので、その1本に向かい合わなければ指摘が難いのですが、味がバラけていて、バランスが崩れているのです。


当初は、不良とは言えない、このタイプのワインを軽い不良と考えていました。
しかし、輸入業者に突き返すほどの完璧な不良とは言い切れません。

かと言って、この味のままお客様に売るのはワイン屋としての良心が咎め、そのまま自分のセラーに置き去りにせざるを得ませんでした。


しかし、半年近く経って、飲んでみると一挙に疲れが回復しているのです。
全くの別物になっているのです。


まるで傷が癒えるようなその回復ぶりに1本だけが変だったのか、もしくは自分の記憶間違いか?
と3〜4年前から、自問自答を繰り返す状況になっていました。


しかし、デジャヴのように何度も経験するこのパターンに



「旅疲れ」


という結論を出したのです。



近年、ワインの流通サイクルは加速度を増し、どんどん早くなっています。
3年前の旅疲れと、現在では比較にならない…
というのが本音です。

しかし市場は、ワインの価格の高低は異様に敏感ですが、最も大切なはずの品質については、極めて、鈍感であると言わざるを得ません。


瓶へ詰めた時のボトルシックを知るワイン好きなら、誰もが想像できるはずなのです。
今、到着したてのこのワインと、3〜6ヶ月、ホンモノのセラーに寝かせたワインの差を。


しかし後者が貯蔵にコストがかかって高くなっていれば、つい前者に手を出してしまうのが
一般人の行動

そしてまた、常に理想だけを追い求める訳にはいかないのが凡人の苦しみ

その点、殿上人とも言えるウンダバーおやじの言葉は、品質を目指す凡人にとっては暖かくも心強いアドバイスとなりました。


見えない品質。


そのアップの為に、私のセラーは毎月ロマネコンティ2本分位のランニングコストをかけて動き続けているのです。


  
寒…


→No.5へ続く


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