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20 Oct, 2000
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Nr.009 種松山周辺 トンネルの幽霊
霊感というものがあるとすれば、幼い頃それは間違いなく強かったように思う。「憶病だ」とよく笑われたが、確かに“何か”を感じる場所、そして理由もなく恐いと感じるコトがよくあった。
年をとるに従って、その感覚が鈍くなったように思う。心が強くなったのではない。科学を身につけて幽霊と見まちがえていたものを、正しく見られるようになったのでもない。本能が核となって感じ取る、霊的なセンサーを、年齢を重ねるごとに埋もれさせてきたような気がする。
そんな私でも、ここでは“何か”を感じてしまう。以前は、このトンネルを水島側に出た左側に、気味の悪い目の看板があった。通るたびに不快感を抱いていたのだが、それが取り払われてから余計に奇妙な雰囲気が伝わってくる。気味の悪い看板が、逆に恐ろしい空気を隠していた事に気づいた。
この道・トンネルの名前は、トンネルの水島側の西側にある池=古城池に由来しているらしい。これよりも大きい池があるように見受けられるにもかかわらず、この名前がつけられたのは、何かの理由があるのだろう。
水島側からみて、どうもこの池付近からトンネルの内側、そして倉敷に出て道が広くなっている所までが、私が“何か”を感じる場所なのだ。
それを裏付けるように、この周辺にはいくつもの噂がある。“トンネルの中に幽霊が出る”というのが一番多い。この山は源平合戦の折、息も絶え絶えとなった平氏が敗走した経路で、その怨念が残る場所とされており、この幽霊はヨロイ武者かと思っていた。が、そうではなく、軍服(太平洋戦争前後の服装)を着た兵隊が立つというのだ。また、老婆が微笑みながら車と同じ速度で併走するというパターンもある。
その他の噂としては、トンネルを水島側に出たすぐ右に電話ボックスがあり、ここで深夜に電話をかけると、背を向けた側を誰かがノックするという。何だ?こんな深夜に…と振り向くと、首の無い幽霊が立っているというのだ。これも太平洋戦争前後の軍服を着ているということだ。
幸い私は、どの幽霊にもまだお目にかかっていない。が、確かに、この周辺では必ず何かを感じてしまう。いやこれが、私の一人よがりならそれに越した事はないようにも思う。しかしもし、私と同じように“何か?”を感じる人が居るなら、トンネル・道路の受益者として、念仏なりお経なり、あるいは十字を切るなりして、軍服姿の兵隊さんと走る婆ぁさん等の冥福を祈って頂きたいのだ。きっと彼らは何か不満があり、快適に行き来する我々が、無意識のうちに迷惑をかけているのだろうから。
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by アルケミー・えんしゅう
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